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    2022.06.27 Press Release

    新たな道に進むNC初のインタラクティブムービーゲーム『Project M』

    今年2月にNCが開発している5種のIPを披露しましたが、そこで初めて存在が明かされた『Project M』のトレーラームービーが6月7日に初公開されました。『Project M』はストーリーメインの「インタラクティブムービー」ジャンルのゲームとして知られ、NCが新しいジャンルに挑戦することで大きな期待が寄せられています。『Project M』を統括するイ・チャソンPから開発の方向性やインタラクティブムービーのビジョンなどについて聞いてみました。

    WORK IN PROCESS 新たな可能性を切り開く

    2月に初披露したティザー動画と比べると開発がかなり進んでいるように見えますが、『Project M』の開発進捗は?

    『Project M』を初めて公開した時はプロトタイプのリソースを使っていました。開発の真っ只中のプロジェクトですので、進捗は日ごとに進んでいます。特にグラフィックと演出まわりは毎日変わりますね。今日は昨日よりもクオリティが上がり、明日はさらにクオリティアップします。

    Project M イ・チャソン(Chasun Rhee) PD

    今は初めて公開したバージョンからさらに進み、「コア・プロダクション」の段階です。コア・プロダクションとは量産化する前の機能部分を完成させる段階です。そのため、6月に公開したトレーラームービーでは実際のプレイ画面をお見せすることができました。

    ストーリーはプロットまで完了していて、大筋とメインとなる出来事などは固まりました 今はゲームプレイと関連する具体的なデザイン、ディテールを詰めている段階です。

    NCの新ジャンル、脱MMORPGの『Project M』が持つ意義は?

    言葉通り、「新たな挑戦」です。これまでNCは主にMMORPGジャンルのゲームを開発してきたので、別の道を切り拓いていく先にあるのは、すべてが新しいことばかりでした。チーム体制、開発プロセスなど制作に関するすべての工程やインタラクティブムービーに合わせたストーリー、インタラクティブゲームの検証方法なども新たに作る必要がありました。それとインタラクティブゲームに相応しいリアルなグラフィックを表現するための新機能も積極的に導入しました。大変なこともたくさんありましたが、これを乗り越えてNCから新しいジャンルの素晴らしいゲームを誕生させることができれば、さらなる飛躍が期待できるでしょう。

    先ほどリアルなグラフィックを表現するために新機能を導入したと言いましたが、『Project M』の制作環境について説明をお願いします。

    『Project M』の舞台は現代ですので、動画で見るよりもリアルに表現するためにUnreal Engine5で制作しています。特にUnreal Engine5の新機能のNanite1やLumen2を積極的に活用しています。これらの機能でディテールを表現して、より現実を感じることができる画面を作っています。

    また、MetaHuman3やフェイススキャン、モーションキャプチャー、3D背景スキャンなどを利用してハイクオリティーなグラフィックを迅速に実現するために業務効率化の観点からも制作方法を考えています。

    1 Nanite:ハイクオリティーな地形を高速に、リアルタイムで適用して作業できるUnreal Engine5の機能

    2 Lumen:リアルタイムで一日の変化を表現するUnreal Engine5の光源効果の機能。光の変化による影、夕焼けなどを表現することができる。Naniteと一緒に使用すると本物の写真のようなリアルなものが作れる。

    3 MetaHuman Creator:Unreal Engine5で使用するデジタルヒューマン制作ツール。本物の人間のスキャンデータとサンプルを使って短時間で細かく、かつリアルなキャラクターが制作できる

    Unreal Engine5のLumenとVirtual Shadowが適用された画面の比較

    インタラクティブムービーは非常に興味深いですが、このジャンルで見せたい『Project M』のポイントは?

    インタラクティブムービーだけにストーリーとゲーム性に注力しています。また、『Project M』のポイントはプレイそのものに力を入れているところです。インタラクティブムービーはプレイヤーがある分岐で何を選択するかによってストーリーが変わります。もちろん『Project M』も基本は同じですが、ストーリーに分岐が多いというよりはプレイすることによって選択が必要な分岐がたくさん出てきます。つまり、同じ結論に至るとしてもプレイヤーが何を選択したかによって違うものを経験します。プレイヤーはそれぞれの感情を持ってゲームに没入できると思います。予測できる画面展開や陳腐なライティング、サウンドにならないように演出面でもいろいろと試しながら挑戦しています。

    『Project M』のさまざまなチャレンジ、制作工程などゲームに関する情報は『NCing*』から発信していく予定です。

    *「NCing」とは、開発の趣旨、制作過程、ビハインド ストーリーなどゲームに関する様々な物語を開発の初期段階から様々なコンテンツで共有して意見を集めて、開発に反映する一連の活動を意味する。

    トレーラームービーを解剖する

    公開したムービーは主人公とその家族を中心とした悲哀のある話のようでしたが、『Project M』のストーリーの内容は?

    『Project M』は現代かつ韓国が舞台です。私たちが日々を過ごしているまさにその時間と空間です。ムービーをご覧になった方であればお分かりかと思いますが、とある家族の話です。ただ、現在も開発中であるということ、インタラクティブムービーの特性上、今のタイミングではストーリーをあまり明かせないことはご了承ください。

    今回のトレーラーで特に見てほしいポイントは?

    ストーリーの伏線とリアルな表現力、そして演出力です。つまり、すべてですね(笑)。

    まずストーリーからお話すると、今回のムービーのセリフはすべてゲームの中のセリフです。ゲーム内のストーリーがかなり入っていたと思っていただいても大丈夫です。もちろん短い時間でストーリー全体を推測するのは難しいと思いますが、今回のムービーから皆さんが様々なことをそれぞれ想像していただければと思います。

    二番目のポイントは、リアルに表現するためのこだわりです。「本物」のように見せるのはモデリングだけでは実現できません。レベルの高いモデリングに自然なライティング、アニメーションなど全てが一緒に組み合わさってはじめて「本物」のように感じます。「本物」を表現するために、担当者たちはとても苦労しました。リアルな表情一つのために複数回のフィードバックが発生したことも多々あります。

    最後に、このように制作したストーリーとオブジェクトにさらに没入感を増すためのカメラアングル、ライティングなどの演出にもこだわりました。ムービーにいくつかの場所が出てきますが、それぞれの場所ごとに違う色味で演出しています。

    High angle、 Dutch angleなど各シーンに応じてカメラアングルを多様に適用した画面

    トレーラームービーの演出や表現にこだわったと言いましたが、具体的にどういう部分ですか?

    女性が顔を正面に向けるアニメーション作業に想定よりも苦労しました。人物がクローズアップされるシーンなので、頭や肩が違和感なくそれぞれ自然な動きになるように、モーションキャプチャーをベースに制作しました。

    振り向いて正面を眺めるアニメーションを実装したシーン

    ムービーに登場するサイコロも、当初は光沢のある質感で使用感がまったく無いということで、修正したら今度は古すぎて腐食しているように見えました。適度な使用感が出るまで何度も修正を重ねて完成したものが、あのサイコロとなります。

    Project Mのトレーラーに登場したサイコロ

    主人公が複数の場所で攻撃されるクロスカッティングのシーンでは、それぞれの空間で異なる雰囲気を出すために場所ごとの色味を変えました。主人公の家では”青み”を、人がいない時間帯の病院の廊下では、不気味な雰囲気を出すために全体的に”緑み”をかけています。

    空間により色みが異なるように実装した画面

    Unreal Engineを4から5に変えたことでライティングの方式も変わりました。光が少ない暗い場所と全体的に明るい場所ではライティングの設定が違うので、最適化しようとするとノイズが発生したり、フレームを下げる必要があったりと、ちょうどいいバランスをとるのが大変でした。

    ゲーム中に表示さるボタンにも試行錯誤を重ねました。『Project M』は移動や演出が多いので、ボタンが表示される際にボタンの視認性を保ちつつ、視界を遮らないよう注意する必要がありました。また、リアルテイストですので、トーンや色味のファンタジージャンルとの違いを意識して調整しつつ、デジタルな印象を活かしました。

    Project Mのボタン デザイン

    今回のトレーラームービーを制作した開発者の感想などの制作秘話は『NCing』が制作したDev Talksをご覧ください。

    (*トレーラーの制作秘話はDev Talksでご確認いただけます。(Link))

    Dev talks以外も『NCing』で公開される動画が気になります。

    Dev talksと一緒に公開したCCG(Comment Come & Go)(Link) があります。CCGはトレーラームービーをご覧になった方々が気になっているポイントについてお答えする内容です。こちらの動画もぜひご覧ください。開発風景やストーリーに関する情報も『NCing』として公開する予定ですので、お楽しみにお待ちください。

    最後に『Project M』を待っているプレイヤーに今後の計画など一言お願いします。

    ゲームがリリースされるまでの道のりはまだ長いですが、全力で頑張っています。『Project M』開発者一同も開発に尽力してまいりますので、皆さまも私たちと「共に」作品を盛り上げて頂けますと幸いです。