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    2023.11.07 Press Release

    ドワーフの技術を取り込み、強くなった魔術師の子孫 〈リネージュW〉 「銃士」 ストーリー

    リネージュWは2周年を迎え、2番目の新規クラス「銃士」を公開しました。その昔、火竜ヴァラカスが眠りに就いた後、火竜の棲処は長い年月を経て肥沃な大地へと変化しました。その後、ドワーフを始めとした様々な地域を放浪していた人々が定住し、暮らす場所となりました。彼女は幼い頃にこの地で発見され、自身の出身については何も知らずに、ドワーフから工学を学びながら育ちました。静かに、平和に暮らしていたこの場所が、なぜ溶岩に覆われた場所に変わり果て、彼女はなぜ姿を現したのかー。過去の話を覗いてみましょう。 


    バサッバサッ!

    誰もが眠りに就いた静かな夜、突然ものすごい数の鳥が飛び交う音に驚いて目が覚めた。外を見ると火竜の棲処の一番高い場所から、真っ赤な光が溢れていた。そこにあったはずのヴァラカスの封印石は、すでに所々が壊れ、破片が飛び散っていた。私が住んでいた土地が、爆発と溶岩で溶けて消えてしまったのだ。

    「フェ…フェニックスだ!」

    誰かがそう叫んだ。溶岩の中から現れたフェニックスは、目に見える生命体を捕らえては溶岩の中に投げ入れた。私は一瞬で繰り広げられたその光景に思わず固まってしまったが、テオフィラは冷静だった。他のドワーフたちと比べて実力は少し劣るが…それでも私に多くの事を教えてくれたテオフィラは、こんな日がいつか来ることを知っていたようだ。でも、私には話してくれなかった。

    かつて、ドワーフの村で育った好奇心旺盛な子ども

    「こんな赤ん坊をいつの間に捨てていったんだ?このままだと死んでしまうぞ…」

    テオフィラは私が赤ん坊の頃、捨てられているのを見つけて引き取ってくれた。周囲には何の手掛かりもなかったが、私の外見からエルフの血が混じっていると推測したそうだ。

    テオフィラ

    「お前から魔力を感じるぞ。もしかして魔術師の血を引いているのか…?」

    ドワーフであるテオフィラは、直接私に魔法の使い方を教えることは出来なかったが、私が潜在的な力を使えるように、幼い頃からいろいろと多くの事を教えてくれた。私は好奇心を我慢できずに、あれこれいじっては事故も起こしたりしたが、テオフィラは一度も怒ることはなかった。

    「これは何?触ってみてもいい?」

    「それは銃だ。扱いを間違えると危険だから…いや、むしろちゃんと教えて扱わせた方がお前にはいいだろうな」

    結局テオフィラは幼い私に銃の扱い方だけでなく、作り方も丁寧に、少しずつ教えてくれた。彼はいつも、口癖のように自分は他のドワーフよりも劣ると言っていたが、私にとっては最高の恩師だった。数年後、テオフィラは自分で使う銃を作ってみたらどうかと提案してきた。もちろんピッタリな物を作るには時間がかかるだろうけど、その分、私が使うのに最適なやつを手に入れることができるだろうと。

    「お前には才能がある。きっと優れた工学者になるだろう!」

    象牙の塔の亀裂、眠れる竜の目覚め

    私はある日、テオフィラに尋ねた。

    「テオフィラ、封印石の下には本当にヴァラカスが眠っているの?」

    「そうだ、昔、ドラゴン スレイヤーのドルーガ家と多くの者が力を合わせて、ここに封印したんだ。ヴァラカス以外にもドラゴンを守るターゴンってやつも恐ろしかったそうだ」

    「ターゴン?」

    「ああ、頭には大きな角が二つあり、たてがみと爪は燃えている。やつが守っていたせいでヴァラカスを打ち破るのに苦労したそうだ。あとはフェニックスもいるらしいな…」

    「燃える鳥だよね?ドルーガの騎士たちが話しているのを聞いたことがあるよ」

    「そうだ、ヴァラカスに従う者たちは炎の力を操るんだ」

    (左)ターゴン、(右)フェニックス

    私は村のあちこちと歩き回るのが好きで、テオフィラの話を聞くとすぐに広場に駆け付けた。そして、ヴァラカスの力を封印しているという封印石をじっと見つめた。

    広場はいつも多くの人が集まっていて、賑やかな雰囲気に惹かれてよく遊びに行く場所なのだが、封印石の下に竜が眠っているなんて、怖くて不思議でもあった。その時、私の耳にヴァラカスという言葉が聞こえた。隅でこそこそと話をしている見慣れない集団だった。私はこっそり彼らの話を盗み聞きした。

    「象牙の塔の亀裂がもうすぐここに到達する。ヴァラカスが目覚める日も近い」

    (あの恐ろしい竜が目覚めるって?)

    話をもっと詳しく聞こうと近づいたところ、石を踏み間違え、大きな音を出してしまった。

    「そ…そこにいるのは誰だ!」

    私はすぐにその場を離れた。以前にテオフィラから聞いた話を思い出した。かつて、ヴァラカスが支配していた時代、ここは溶岩に覆われた熱い場所だった。人々は近づくこともできず、混乱の中で恐怖に震えながら暮らしていたという。しかし、その混乱の隙をついて利益を得たり、竜を狩って名誉を高めようとする者たちがいた。テオフィラは彼らを理解できないと言い、二度とそのような人たちが活躍する時代が来てはいけないと力強く語った。

    しかし、テオフィラの願いは叶わなかった。彼らの言葉通り、オーレンの象牙の塔から始まった亀裂はやがて、私が住んでいた場所、火竜の棲処に到達した。 

    再び、その日

    急激に押し寄せる溶岩は村を丸ごと呑み込み、火の海となった。逃げ遅れた人々が溶岩の中に消えて行った。そして、眠っていた竜の手下、フェニックスが溶岩から姿を現した。

     

    「はやく逃げろ!」

     

    テオフィラが私に向かって叫んだ。その瞬間、フェニックスの炎が人々を襲い、鋭い爪で掴んでは溶岩に投げ捨てた。一緒に暮らしていた近所の人たちが目の前で為す術なく死んでいく姿を見て、私の体から何かが沸きあがった。自分のものとは思えないほどの凄まじい力だった。

    (これがテオフィラの言っていた魔力?)

    私はその力をフェニックスにぶつけた。その力は幸いにもフェニックスを強打し、追い払うことに成功した。

    「大丈夫か?怪我はしていないか?」

    テオフィラが近づいて私を見渡した。

    「うん、大丈夫」

    私は気を取り直して、自分が育った場所を眺めた。海岸を中心に集まって暮らしていた村は火山灰と溶岩に覆われ、海岸の砂浜には山麓から流されてきた住宅の残骸、そして、フェニックスに引き裂かれて死んでいった村人の死体が積み重なっていた。 

    幸い私の横にはテオフィラがいる。血は繋がっていないが私を育ててくれた私の師匠…私のお父さん…その日から私は自分の魔力を銃に込める方法を研究した。

    テオフィラはあの日以来、めっきりやつれた。すでに年齢を重ねたせいもあるが、私と同じように、住んでいた場所を失った衝撃も大きかったようだ。いや、フェニックスが目覚めた後に起こるであろう事態を想像して、恐れているようにも見えた。フェニックスまで現れたのだから、ヴァラカスが目覚める日も近い。

     

    「お前を引き取った日がまるで昨日のことのようだ…今まで懸命に研究して完成させた武器を持ってきなさい」

     

    詳しくは聞かせてくれなかったけど、私を強くするためだと察した私は、すぐに荷物をまとめてテオフィラと出かけた。しばらく無言でどこかに向かって行った。そして、テオフィラはもう一緒に行く力が無いといい、ここで待っているから、森の奥に入るようにいった。

    「そこには限りなく熱く、膨大な力がある。それを利用して魔力を強化するといい」

    そうだ、私はまだ力不足だ。あの日のように、人々が目の前で死んでいくのをただ見てるだけ、なんてことはもう出来ない。いつか現れるであろうヴァラカスを止めなければならない。強大な力の群れに対抗できるだけの力をつけなければならない。もっと強い力を。今こそ新しい世界へ進む時だ。

    「どんな対価を払おうとも勝利し

    どのような恐怖にも勝利し、

    その道がどんなに険しくとも勝利しなければならない。

    勝利なくして生存もないのだから。

    消えない炎のように凄絶に戦って、最後まで生き延びてやる。

    それが私の生き方なのだから」


    ※ 以降の彼女が銃士になる過程は<リネージュW>で銃士となり、ストーリーを通して直接体験してみてください。

    ※ この物語は<リネージュW>の銃士の話を元に脚色したものであり、実際のゲームとは一部内容が異なる場合があります。