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    2021.01.25 Press Release

    NC ART PROJECT #1 次元の混合(Mixed Dimension)

    ゲームにおける文化的環境を深く考察し、そこからクリエイティブを見つけ出す実験的アートプラットフォーム「NC ART PROJECT」。

    NCアートプロジェクトはゲームを「仮想と現実が繋がっている文化環境」として捉えた視点から始まります。本プロジェクトはゲームという巨大な環境の根源とその中に込められた哲学を芸術の形で実体化した試みであり、「ゲームアート」という新しい芸術ジャンルの可能性を模索する実験でもあります。さらにはゲームの世界観やキャラクターを再創造した芸術がまた開発のインスピレーションになる創造の好循環を作ることを目標にしました。

    一番目のプロジェクトはヤン・ミナ作家の『次元の混合(Mixed Dimension)』です。NCゲームの世界観と交感するメディアアートになりますが、ゲーム文化を再解釈したアートはどんな新しい交感を引き起こせるかこの実験を最後までお楽しみください。

    ゲームには世界観があります。皮肉なことに虚構ながら実在する世界です。ゲームを遊ぶユーザーはキャラクターと自分を同一視して自分が存在する世界を存分に楽しみます。ゲームのどういう点によってユーザーは虚構の世界観に自然に溶け込んでしまうのでしょうか。

    ゲームという複雑な概念とその根源に対する好奇心から本プロジェクトは始まりました。私たちはゲームを仮想と現実をつなぐ巨大な文化環境として捉えました。そして、本作品はその背景を探求し、仮想と現実の転移を描いたものです。

    『次元の混合(Mixed Dimension)』は全5つセクションで構成されています。ゲームデータからゲームの世界観、ユーザーとの相互作用、仮想と現実などゲームにおける文化的環境を考察して様々なメディアアートの形で具現化しました。表面的な視覚効果やインタラクションの楽しさだけではなく、その中に込められたメッセージも伝わればと思います。

    NC THE WORLD:データが作るビジュアルアート

    セクション1「NC THE WORLD」はゲームに蓄積されたゲームデータを利用してNCのアイデンティティーを構築するデータを視覚化した映像です。

    ゲームによるユーザー経験はすべてデータとして残ります。キャラクターの作成および成長の経験からパーティー、血盟、バトルなど他ユーザーとの関係による経験まで。仮想世界と現実世界を超えて繋がっているユーザー間の色々なネットワークと今まで蓄積したデータはNCの歴史とアイデンティティーを象徴します。

    蓄積データ基盤の5つのユニバース

    「NC THE WORLD」は約1億8千万個のデータを視覚化した美的表現にフォーカスして制作しました。これまでに蓄積してきたデータは巨大な波形と群集を作り、徐々に画面いっぱいに広がりながらNCの規模を象徴するユニバースになります。

    それぞれのユニバースの中にはゲームユーザー間の関係によってできたデータで構築された複雑系(complex system)があり、相互作用を起こしつづけます。既存のものと新しく起こした相互作用は密集して巨大なユニバースを作りますが、その一連の流れはNCのアイデンティティーが復元される総体的プロセスを表現しています。

    ゲームユーザー間の関係データによる複雑系

    THE ORIGIN:世界観の根源を探求する試み

    セクション2「THE ORIGIN」はゲームグラフィックスの3D視覚表現において代表的な文化現象として取り上げられているデモシーン(Demoscene)を受け継いだ作品です。デモシーン(Demoscene)はコンピュータゲームを数学的なビジュアルプレイ文化に変えたゲーム開発にとっては非常に重要なサブカルチャーです。

    全世界のデモグループは様々な手法で数学的、視覚的な表現のチャレンジを続けています。そのようなチャレンジはグラフィックスエンジンのリアルタイム表現や3Dアニメーションの特殊効果の技術発展に多大な影響を及ぼしました。

    一つ目の仮想空間:マンデルバルブ

    「THE ORIGIN」はデモシーンでよく使われるフラクタルのアルゴリズムとリアルタイムレンダリングのアルゴリズムを抽象化してゲーム開発とゲーム文化の本質、そしてその根源にある数学的探求を表現したものです。

    二つ目の仮想空間:メンガーのスポンジ

    世界観構築の初期段階

    EVOLUTION:進化する仮想世界への探検

    セクション3「EVOLUTION」は共進化をモチーフにした作品です。共進化は人間と道具(機械)が影響し合って相互進化を遂げるという科学哲学の概念です。ゲームは人が作った道具によって人間の文化的行動がどう変わり、またそれに影響された人が道具をどう進化させたのかが分かるメディアですので一脈通じています。

    「EVOLUTION」はゲームとゲーム、プレイヤーとプレイヤー、そしてゲームとプレイヤー間の有機的なハイパージャンプ(Hyper-Jump)を表現しました。作品の中の空間は素早く移り変わり、歪んで、移動しながら点と面を分解して本来の画素に戻ります。これは進化するゲームの仮想現実を表したものです。

    ハイパージャンプ(Hyper-Jump)による空間転移

    COEXISTENCE:ユーザーとキャラクターの相互作用

    「COEXISTENCE」は共存しながら影響を受け合う「関係」について語ります。ユーザーと仮想のキャラクターが立体的かつ多面的に結ばれますが、その結ばれ方を色々な方向から見せています。

    画面にはNCゲームのキャラクターをモチーフにしたオブジェクトが登場します。そのオブジェクトはキャラクターの特徴的な動きをしながら異次元から来た別のオブジェクトと出会い、波状を作ります。有機的に繋がる二体のオブジェクトは仮想と現実のつながりを表現します。

    「リネージュ2M」のエイルナをモチーフにしたオブジェクト

    「リネージュ2」のトールをモチーフにしたオブジェクト

    「タワー オブ アイオン」のビビッドウインクをモチーフにしたオブジェクト

    メディアアートの歴史を見ると作者と鑑賞者が明確に分かれた状態から互いにつながっていくのをモチーフにした作品が多いです。本作品は作者と鑑賞者の関係をゲームのユーザーとキャラクターの関係に置き換えて複合的に繋がり合いながら最終的に一つになっていく様子を立体的に表現しました。

    COGNITIVE SPACE:ゲーム内の存在との交感

    ゲームはインタラクションとリアクションを多く発生するメディアです。最後のセクションの「COGNITIVE SPACE」はゲームが作り上げた仮想世界と直接的なインタラクションを体験する触れ合いの場で、NC R&Dセンターの1階ロビーにあります。

    作品は通常モードとインタラクションモードの2つのモードがあります。通常モードはNCの仮想世界を多数の線の動きで再構成した映像が流れます。表面的なビジュアルイメージの効果というより、その奥にあるストーリーが汲み取れるように詩的で叙情的に表現しました。

    インタラクションモードは鑑賞者と直接的に触れ合います。鑑賞者がスクリーンに近づくと仮想世界はすぐに反応します。流れていた映像は消えてゲームキャラクターが近寄ってきて鑑賞者とのインタラクションが始まります。キャラクターが登場して墨がにじむように鑑賞者と触れ合い、一定時間になると消えていくのを繰り返します。

    この作品は現実と仮想の境界が崩壊されて混ざっていくことを線とインクという実在する物性で仮想を描いて穏やかで詩的なイメージを作りました。

    通常モード

    インタラクションモード

    目に映っている現実を仮想世界に吸い込ませて個性的に表現するメディアアーティストのヤン・ミナ作家の『次元の混合(Mixed Dimension)』は多次元世界の創造と共存に関するNCのメッセージを詩的なナラティブで表現した作品です。

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