企業は有機体のように環境と時代に合わせて成長し、発展していきます。そのため、ブランド・アイデンティティも企業の未来の目標に向けて変化する必要があります。リニューアルとは新しいものを創り出すのではなく、ブランドのさらなる進化のためにこれまでの価値を見直して共通のブランドミッションを共有することです。「リネージュ」、「タワー オブ アイオン」、「ブレイドアンドソウル」などそれぞれ異なるDNAを持つ多数のゲームIPが「NCSOFT」という一つのブランドとしてまとまるのは「クオリティーにこだわる本気さ」、「面白さを生み出す純粋な情熱」という共通のコアバリューがあるからです。
ブランドのポテンシャルを高めながら一貫した志を失わないこと。その志を視覚化して共有することが今回のCIリニューアル・
プロジェクトのポイントです。リニューアルしていく中でどのような考察があったのか紹介します。
ブランド・アイデンティティはブランディングにおいて最も基本となる指針です。社名を見なくても固有のブランドが思い浮かぶように、更には会社の未来(もしくは指針)や社員の価値観までが分かるように代表性を付与する作業です。だからこそ見た目だけの視覚的要素ではなく、NCSOFTの本質的価値に集中しました。
ブランドの第一印象、CI
CIリニューアルは全世界にビジネスを拡大していくNCSOFTの国際競争力を強化し、未来価値を共有するために行いました。そのためにブランドの第一印象となるCIデザインにNCSOFTの企業バリューを組み込む必要がありました。CIデザインは世界的なグラフィックデザイン会社の「Pentagram」と協業して完成しました。文字の角を45度鋭くカットしたデザインは最先端の技術力をもとにマスターピース開発を目指すNCSOFTの職人魂を意味します。なお、ボールドなデザインからは常に新たなイノベーションと大胆なチャレンジを恐れないNCの情熱とチャレンジ精神が感じられます。NとCの間につなぎ目をなくした形状は新しい世界へ「繋がる」価値が落とし込まれています。
NCSOFTの色、Color
CIの変更にあわせ、NCのブランドカラーも見直しました。メインカラーのCMYK値から付随的な色味を取り除き、純粋なブルーの割合を増やしてはっきりと見やすく調整しました。また、新しい指定色のNC BLUE Tint色は様々な環境での活用性を考慮してNC BLUEと一緒に使える色です。
一貫性のある拡張のための約束、Visual system
CIだけでは多様な外部接点における活用に限界が生じるため、使用性の拡張のためにグラフィックモチーフ(Graphic Motif)を作成しました。CIの「カッティングエッジ」デザイン要素を取り入れつつ、より柔軟に使用できるような取り組みです。好きな形や比率に変えられるので、パターン、画像のフレーム、レイアウトなどあらゆる種類のデザイン領域に活用できながらも一貫したブランド・アイデンティティが演出できます。
ピクトグラムはブランド・アイデンティティを反映することも重要ですが、利用者に向けた効果的な情報伝達のための直感的な伝え方が必要です。曲がった角を取り入れてビジュアル・アイデンティティを反映しつつ、情報伝達としての側面も強化して絵だけど文字の機能を有するようにしました。
ブランドに触れて、着て、持つ、Merchandising
定まったブランド・アイデンティティを実際に一番身近で触れる書式や用品類に、基本的なシステムを十分に反映しながらディテールをアレンジしました。全体的な統一感のためにブランドカラーやCIなどコア要素を反映し、カッティングエッジをディテールに加えました。他にも装飾をなるべく排除してシンプルかつ直感的な見た目にしました。
新たにリニューアルしたブランド・アイデンティティはガイドシステムを構築して社員なら誰でもダウンロードしてコンテンツに使用することができます。ガイドシステムはブランドのナビゲーターとしてNCが一貫性を持ち続けられるようにサポートします。
NCの新CIは「Flexible Window」という意味があります。形を歪めない範囲内で型にはまらずに柔軟に好きなイメージを作ることができます。ゲームIPの素材をCIに適用してWindowタイプにすることもできます。新CIの社内公募では個性的にCIを表現した作品が多数あり、優秀な作品はソーシャルチャンネルに投稿して新たなコンテンツ
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